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第21回 『営業目的のブラッシュアップ』



■営業目的のブラッシュアップとは
前回までのコラムで、「営業の目的は、お客様の問題解決をすることである」とお話ししました。
この考えや、それに沿った行動(言動)を取ることが、営業のスタートラインです。

ただ、「お客様の問題解決」と唱えるだけでは具体性に欠けます。

  ①自社にとって「お客様」とは誰なのか?
  ②そのお客様に対してどんな「問題解決方法」を提供するのか?

を明文化すること。これが営業目的のブラッシュアップです。

■なぜ「お客様は誰か」を考えなければならないか?
皆さんもお分かりのように、売れない原因は「お客様の側に立っていない営業」にあります。
「お客様の側に立つ」と言えば簡単そうに聞こえますが、自分のお客様が誰であるのかを理解していなければ、お客様を理解し共感することも、ニーズを知ることも不可能です。

つまりお客様の側に立つことなどできるわけがありません。
自社営業の「お客様は誰か?」、これが第一のブラッシュアップです。

■自社にとっての「お客様」とは?
ある部品メーカーは、車体メーカーに部品を納入しています。部品メーカーの第一のお客様は、当然車体メーカーです。しかし、営業目的におけるお客様の定義は、「車体メーカー」だけでは不十分です。

部品メーカーは、たしかに車体メーカーに部品を売っているだけです。しかし、車体メーカーに部品が供給されなければ、その部品で作られた車でデートや家族旅行や通勤はできません。つまり、部品メーカーは、その車を購入してデートや家族旅行や通勤に車を利用する人のために、車の部品を売っていると言えます。

部品メーカーのお客様は、車体メーカーであり、さらに車を完全に作るメーカーであり、そして車の販売ディーラーであり、最後に車の購入者(オーナー)であり、最後の最後に車に乗る家族や恋人であると考えるべきです。

また車の存在する社会全体もお客様であると考える必要があります。
連鎖的に全ての関係するお客様を考えると、営業の「存在意義」が理解でき、営業のモチベーションも高まります。

営業目的をブラシュアップするには、目の前にいる第一のお客様だけではなく、そのお客様に売った結果や影響がどこまで到達するのかを考えることが重要です。営業とは、深い連鎖の先の人々や社会に貢献している重要な仕事なのです。

■仕事の目的も同じこと
営業に限らず、このように仕事の目的を考えることは重要です。
昔、「経理部のお客様は誰ですか?」と聞かれて「国税局です」と答えたという笑い話がありました。
「国税局によけいな指摘をされないように・・・」とばかり考えて仕事をしていると、「なんで国税局は・・・」という気持ちに なってしまいます。お客様を履き違えた仕事は無駄が多いばかりではなく、人を疲弊させてしまうものなのです。

それより、経理部などの社内スタッフの第一のお客様は社員であり、社員の家族であり、そして社員のみんなを通じてお客様に貢献しているのだと考えてはどうでしょう。
製造や研究開発に従事している人々も、誰かの役に立つために仕事をしています。つまり誰かの問題解決をしているのです。それを理解している人こそ、仕事に充実感が持て、パフォーマンスの高い仕事を自らしようとするのではないでしょうか。

■お客様の「問題解決方法」を考える
ペットボトルの水の営業は、とかく「月に何万本売ること」になりがちですが、これでは全くお客様目線での問題解決ではありません。そもそも月間販売本数は営業目的ではなく、社内の「営業目標」です。社内の営業目標は、お客様にとっては全く関心ありません。

お客様に「後○本買っていただければ私のノルマが達成するのです」と訴えても、自動販売機が「わが社の営業達成のために購入ボタンを押してください」とアナウンスしても、売れるわけがありません(少し面白いパフォーマンスではありますが)。お客様に、ワガママで自己中心的な営業だと思われるだけです。「のどの渇きをとる」ための問題解決方法ですとも言えますが、もう少し深く考えないと売上はアップしません。

つまり営業は、お客様目線で、どのような「問題」を「どのように」解決しているのか、つまり「問題解決方法」を深く考えて営業目的に落とし込み、そしてそれをお客様に適切に伝えなければなりません。それが売上アップのための第二のブラッシュアップです。

■「問題解決方法」は実に多様である
ペットボトルの水は、お客様のどのような「問題解決」をするのでしょうか?のどが渇いたから、冷たい水をイッキに飲んで、のどの渇きをとる。これは一つの問題解決です。しかしペットボトルの水は、よくよく考えてみると、多様な問題解決をしています。

例えば、冷たいペットボトルを首筋にあてて涼む人もいるし、ランニング中に頭から水をかけてリフレッシュする人もいるでしょう。またその水を料理に使ったり、お茶を入れたりする人もいます。単にのどの渇きをとるためにペットボトルの水を売っていると、多くのお客様を逃がし、多くの問題解決の場面に提案できないことになってしまいます。このように考えれば、例えばペットボトルの水は、「生活において元気をアップするためのもの」「リフレッシュするためのもの」と広範囲での問題解決が考えられます。

アップル社のiPadが国内の高齢者に人気があるというニュースを見ました。マウスやキーボードがなくてパソコンよりも使いやすいし、老眼でも簡単に画面上の文字を大きくして見ることができる。iPadは高齢者にも人気なのです。iPadは販売初日に、徹夜で列に並ぶ人の問題解決ツールだけではないのです。

アップル社は、「インターネットが見られる」「本が読める」「小型のパソコン」というような単純な問題解決方法ではなく、「老若男女問わず使える、使いやすい情報端末で、21世紀のライフスタイルを快適にする」というような問題解決方法(営業目的)まで深く考えた上でiPadを市場投入(営業)しているハズです。

■営業目的の具体例
ブラッシュアップの方法は様々ですが、例えば、清掃会社ならば、「わが社の営業目的は、オフィスで働く人々が快適に仕事ができるように、オフィスビル清掃の問題を解決することです」とか、自動車部品会社なら、「わが社の営業目的は、ドライバーが安全で快適なドライビングができる車の部品の問題を解決することです」と言い表すことができます。

自社の営業目的を今一度見直し、必要があればブラッシュアップしてみましょう。それが社員の誇りや働きがいになった時こそ、売上アップのスタートラインに立ったと言えるのです。

■営業目的の次に考えるべきこと
ここまでのコラムでお話しした、工夫された営業目的はスタートラインです。
たとえば、のどが渇いていることに「気付いていない」お客様に、一方的にペットボトルを買うべきだと強引に説得しても売れないことが多々あります。プロの営業になればなるほど、お客様が気付いていない問題に真っ先に気がつくので、どうしてもお客様に説得 (提案)しがちですが、これでは効率的には売れませんし、お客様の問題解決を行っているとはいえません。

営業には「提案の前にしなければいけないプロセス」があるのです。プロセスを無視した営業は売上が伸びません。売上アップの営業プロセスについては、ぜひ弊社の営業研修で説明させていただければと思います。


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