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第16回 『言葉の奥に隠されているもの』

お互いに理解しあえるコミュニケーションをするためには、相手の言葉の奥(裏)に隠されている感情や思考を推測したり、理解しようとするマインドと能力と余裕(努力)が必要になります。
言葉はコミュニケーション媒体の10%以下でしかありません(態度・表情・声の抑揚で90%以上のインパクトが有ると言われます)。つまり伝えたいことが全て言葉には表れないのです。話すほうも、聴くほうも「言葉の奥に隠されている感情や思考」を掴もうとしなければ、生産的なコミュニケーションはできません。

ある山道でパンクしてしまった一人のドライバーがいたとしましょう。
後から走ってきた車のドライバーは、助けてあげようと車を止めて、パンクを修理しようとしている人にこう話しかけました。
「パンクですか。」
修理しようとしていたドライバーはイライラしていたので、その言葉にこう返事してしまったのです。
「見りゃ分かるだろ。」

このコミュニケーションによって何が分かるでしょうか。
後から来たドライバーは、本当はこう言いたかったのです。
「パンクのようなので、お手伝いしましょうか。」

どちらのドライバーのコミュニケーションが悪いかはここでは述べません。どちらのドライバーにも言い分はあります。
しかしこのような言葉の裏に隠れている感情や考えを理解する余裕と能力がなければ、コミュニケーションは失敗することが多々あります。
「パンクですか。」「見りゃ分かるだろ。」通常の場合、これでおしまいです。

どちらもイライラして嫌な気分のまま別れることになることになります。生産的なコミュニケーションはできません。
組織の中でこのようなことが日常茶飯事だと、お互い(特に声をかけた人)は組織内部でコミュニケーションすることがイヤになってしまうのではないでしょうか。

つまり、コミュニケーションをしない人に常に非があるわけではないのです。
コミュニケーションをしたくなくならせる言動をとる人のせいで、コミュニケーションが停滞することは多々あります。特に管理職の人は、組織の中のコミュニケーション不足を感じたら、自らの言動や組織内のコミュニケーション阻害カルチャーを探ってみてはいかがでしょうか。コミュニケーションをしない人を一方的に責めても問題は解決するとは限りません。
実際、コミュニケーションに問題のある組織を調査すると、管理者(または先輩)にコミュニケーションの問題が有ることが少なくありません。

話は少しずれますが、ある意味”仕方のない”理不尽なコミュニケーションも存在します。
A君は会社に遅刻して来ました。
課長はA君に向かってこう言います。「なぜ遅刻したんだ。」
A君は「道が事故で渋滞してしまっていたので・・・。」
間髪いれず課長が
「言い訳をするな!」
A君は「・・・(心の中で、理由を聞いたのは課長のほうじゃないか・・・)」
この場合、A君は課長にどう言えば良かったのでしょうか?

例えば、A君「どうも申し訳ございませんでした。」課長「そんなことは聞いていない!!」
例えば、A君「・・・(無言で何も語らずうなだれる態度をとる)」課長「はっきりしろ!」
多くの場合、A君は何を言っても課長に叱られるだけです。

こういった理不尽とも思えるコミュニケーションはなぜ起こるのでしょう。
課長は、「遅刻をしてはいけない。」ということが言いたいのです。(場合にもよりますが)この場合はA君に非があるのですから、多少の理不尽さは我慢する必要があるでしょう。

世の中ロジカルに考えれば理不尽なことも多々あります。
いちいちそんなことにネガティブに反応し、今後のコミュニケーションをやめてしまっては自分にとって何のメリットもありません。課長も部下も人間ですから、多少感情的で理不尽なコミュニケーションが存在したとしても仕方ないことだと思います。

もちろん先ほどの課長は、人材育成の視点、つまり原因追求・再発防止・部下の問題改善などを目的としたリーダーシップを発揮したコミュニケーションをしたほうが良いに決まっています。
「なぜ遅刻したんだ。」「言い訳をするな!」叱るだけでは、なかなか人は育たないでしょう。

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