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第18回 『ネガティブとポジティブ』

その人の感情や言動は、その人自身が「選択」し決めるのである。
決して他人の言動や出来事で、自分の感情や言動が決まるわけではない。

このような考え方は、アルバート・エリス氏が「出来事そのものに悩みの原因があるのではなく、その各個人の受け取り方が悩みを作る」と説く”ABC理論”、または第二次大戦中に強制収容所のユダヤ人囚人だったビクター・フランクル氏が「自分の態度を主体的に選択することが【人間の最後の自由】だ」と発見した(コビー著7つの習慣より)など、いろいろな研究成果として紹介されています。

私はウイルソンラーニング社の研修で、人は出来事や他人の言動に対して自己対話を行っており、その自己対話がネガティブならネガティブな感情・言動になる、反対にポジティブな自己対話ならポジティブな感情・言動になると教えてもらいました。この考えは、自分自身の生活や仕事に生かしていますし、研修やコンサルタントでの基本的な理屈として応用しています。

たとえば、ある日高速道路で渋滞に巻き込まれてしまいました。高速道路の渋滞という”出来事”に遭遇した時、ドライバーはその出来事に対する感情と言動を”選択”できるのです。(高い金払ってるんだよ、高速で走れるから高速道路やろ!)という自己対話はイライラという感情を生み出します。その結果、意味もなくクラクションを鳴らす言動をとったり、側道を走ってしまうという違反言動をとる人もでてきます。この人とは違って(事故でもあったのだろうか。自分は事故を起こさないように安全運転に心掛けよう)という自己対話はリラックスという感情を選択します。その結果、慎重な運転行動に出ます。前者はネガティブな人で後者はポジティブな人と言えないでしょうか。

ビジネスシーンで「君の考えはネガティブだよ」と相手に詰め寄る人がたまにいます。しかし相手の意見をネガティブだと決めてしまったのは、その人の方です。つまりその人自身がネガティブな感情を選択したのではないでしょうか。人は、自分の価値観ややり方と反する出来事に遭遇した場合、または相手より高いポジションにいる場合、その出来事(相手)をネガティブだと判断する傾向が高いようです。そして読み手の親切な?教育的立場から、相手にポジティブになれと説教するのです。

これは管理者が部下に行うフィードバックにおける課題でもあります。決してネガティブに意見を言ったわけではないと思っている部下からすれば、上司の言動は不愉快に思える可能性があります。(不愉快に思うことを選択したことが、部下のネガティブシンキングなのですが・・・)

上記の例で、部下の側に問題があることももちろんあります。
他人の責任(他責)にしている場合や、被害者意識に陥っていることもあるでしょう。また言いたいことを的確に伝えるテクニックが欠けていたのかもしれません。しかし、ひょっとするとポジティブな意見を言ったつもりなのかもしれません。
つまり相手の心理まで、他人が分かるはずがないとは思いませんか?

管理者のフィードバックは、部下がネガティブかポジティブかを批評するのではなく、まず何が言いたいのかを聴くこと、そしてどういう風に言ったほうがより分かりやすいと具体的に指導してあげることが重要です。
相手への心理的評価はあくまでも自分の感想であって、相手の心理を唯一決定付けるものではないと考えます。ただし、常に冷静にポジティブシンキングすることは難しいことです。
ただ自分自身のネガティブシンキングを、他人や出来事の責任にすることだけは最小限にしたい、相手に何かを言う前に瞬間的にポジティブ選択をするようにしたいと思います。

あの人はネガティブな人だ。あの人はポジティブな人だ。そういう決め付けをする人こそが、ネガティブな人であると私は思います。と言いつつも、相手にそんなことは言わない、つまり「あなたこそネガティブだ」と言うことを選択せずに自分のできることを選択したいのですが。

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