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第11回 『無気力を育てる』

2014.3.28

職場風土や組織のパフォーマンスは、管理者や社長の言動に大きな影響を受けることが調査で分かっています。イキイキ職場も、燃え尽き職場も、サビツキ職場も、仲良しクラブ職場も、管理者の言動次第といっても過言ではないでしょう。
「今どきの若者は…」なんてセリフは遠い昔のギリシャ哲学者の言葉(壁画に書いてあったという説もあります)であり、ここ数年の特徴ではないことはご存じだと思います。しかし世代の価値観はどんどん変わり、今も昔も人は「変化する」ことに違いはありません。

部下や後輩に動機付けを行い、パフォーマンスを最大限発揮させ、結果的にイキイキ職場にするのは管理者やトップの役割だと思います。しかし管理者や先輩の言動で、部下のやる気を消したり、さびつかせたりすることも簡単です。今日は簡単な3つのたとえ話をします。

ある男性が雨の山道を車で走っていました。すると突然ハンドルが…。タイヤがパンクしたらしい。
その男性は雨の中、タイヤの交換をやる羽目になってしまいました。そこに若者が車で通りかかったのです。若者は雨の中タイヤを交換している男性を見て、手伝ってあげようと考えました。若者は車を止めて、男性にこう言いました。
「パンクですか?」
男性はイライラしながら、振り向きもせず、吐き捨てるように言いました。
「見りゃ、わかるだろ!」
お互いに大人の対応(傾聴・共感)ができれば、この後もなんとかなるのですが、似たようなケースでの上司と部下の間での会話だとしたら、部下はもう何も言いたくなくなる可能性が高いのです。

先輩に報告に来た若手社員。先輩はパソコンから目をはずすことなく無視。しかし若手社員はドキドキしながら報告しました。先輩は一度も若手社員の方に振り向かず、一言。
「そんな意見は100年早いよ」
「君は何も分かってないね」
「そんな意見ならだれでも言える」
こういう先輩や上司のコミュニケーション・ストッパーで、意見することを止めてしまう「無気力感を学習してしまう」若手社員がいるかもしれません。

パソコン研修を受講して、前より生産性の高い作業を行うことができるようになった社員がいました。上司が彼のところにやってきて、彼の仕事振りを見てこういいました。
「ほぉー。トレーニングを受けてきた時間は無駄ではなかったわけだ。やっと何かを理解できたようだね」
こう言われて、うれしい社員は少ない。あまり喜ばない社員を見て、上司がもう一言。
「君はいつも、素直じゃないな」
なんだか褒めているのか、モチベーションを下げているのかわからない上司の言動。

コミュニケーションを止める言動、相手の気持ちを無視した言動、否定的なフィードバック(批判)は、”学習された無気力”を生んでしまう可能性が高い。相手に「無気力を教育」しているのです。それが職場の日常的行動パターンとなったとき、充実感がなく生産性の低い職場風土、つまり”無気力を育てる組織”になってしまう。

ただし高い信頼関係や相手を尊敬する気持ちがあれば、少々乱暴で否定的な言動であっても、イキイキ職場であり、無気力を育てる組織にはならないと思います。昔テレビで放映されていた池中玄太のドラマに出てくる職場がそんな感じですかね(あれは理想ですか?)。

しかし、相手の言動で無気力になることを選択するのも自分自身。
無気力の学習を受け入れてしまうのは、受け入れる側の選択。
プロなら相手の言動に左右されない、前向きな感情と言動の選択をしたいものです。

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