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第25回 『人材育成における「感性」の重要性』

2014.12.26

私は人が人として成長するためには、感性が必要だと思います。
“感性”という言葉を辞書で調べると、「感受性」「印象を受け入れる能力」「対象の受容性」などと説明されています。私なりに感性を解釈すると、次のようなプロセスを踏むことだと考えます。

自分の周りで起こった出来事に対して、
1)気付くこと
2)感情(感動)が生まれること
3)感想を持つこと
だと思います。

これがすなわち、印象(出来事)を受け入れる感受性・受容性だと考えるのです。そしてその出来事(外因)を自分のパフォーマンスに生かし、さらに人に伝えることができればその人の感性は非常に高く、また感性がその人の役立っているのです。

感性は能力ですから、感性の低い人は程度の差はあれ存在します。感性の低い人は、周りで起こっている出来事に無頓着気味です。いわゆる鈍感なのです。人のフリ見て我がフリ直すという概念には乏しく、自分の思考や言動は、自分に起こった経験則からだけで行っていることが多いそうです。人によっては自分に起こった経験すら経験則として脳に保存していない人がいるようですが・・・。

反対に感性の高い人は、周りの出来事に敏感で、出来事(印象)を受け入れ、自分の役に立たないかどうかを考えた上で、その経験・体験を情報として取り入れます。よって感性の高い人は自分自身に起こった経験則以外の情報を取り入れるため、経験則情報が低い人よりもはるかに多いのです。

人に聴いた話ですが、人間は自分の頭に蓄積された情報以上の知恵(思考)は生み出さないと。知恵を絞るとは、頭の中で散らばった情報を推論することなのです。
推論とは、過去の経験則情報を結び合わせて、そこから似て非なる新しいアイデアや効果的な解を生み出すことです。

つまり自分が持っている情報以上のアイデアや解はなかなか浮かばないのです。よって経験則情報が少ないと、出てくる知恵もソレナリになってしまう。
その話をされた方は、こうも言ってました。「家帰って、ビール飲んで、ナイター放送を見て、寝る・・・だけの生活を続けていたら、ビジネスシーンにおいても良いアイデアや解決策は生まれません。まず生活習慣を改めましょう。たとえば本を読むとか、たまにはテレビでドキュメンタリーやニュースを見るのも良いでしょう。」

以上のことから、感性の高い人は、多くの経験則をもつが故に、感性の低い人よりも効果的なパフォーマンスを効率的、迅速に発揮することが可能です。感情的にも敏感なので、自分が不快に思うことは、他人に対して行うことに躊躇します。つまり相手の立場で考えようとするのです。

感性は能力ですから、磨く(高くする)ことは可能です。
今まで気付かなかったような現象や事実を、自分の役立つ情報として取り入れようとする努力、つまりアンテナを張ることが感性を磨きます。

たとえば、研修でいろいろなシーンについて考えることよって磨くことができます。また本を読んでレポートを書いたり、セミナーやショーのレポートを書くことも有効です。たとえば出張報告書・出張レポートをちゃんと書く等の組織上の仕組みを作ったり、仕事における工夫や経験をレポートや論文にするのも良い方法でしょう。ワークショップのテーマを議論する過程で、メンバーの意見や経験を共有することも有効です。

基本的には、感性を磨くために膨大なコストは掛かりません。通勤途中でも、買い物をするときでも、感性を磨くことは可能です。
そして企業にとって社員の感性を磨くことは、費用対効果の面で大きなメリットがあります。
感性の高低が、人生の成功・失敗と正比例するとは限りませんが、少なくともビジネスシーンにおいては、自分自身のパフォーマンスと正比例するはずで、組織への貢献度とも正比例するでしょう。そう考えれば、感性の高い職場(組織)という概念もあるはずです。

私の研修でも、感性を磨くことを大切にしています。

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