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第8回 『システムエンジニアにも必要な満足の3原則』

2014.2.4

「鈴木君、君の仕事は納期通りだし、それにいつも素晴らしい仕事ぶりだよ」
「山田君、君の仕事は納期通りだけど、いつも雑な仕事ぶりだなぁ、もうちょっと何とかならない?」
「田中君、君の仕事は納期通りだな」

お客様からシステムの仕様書作成を依頼された3人は、全員納期通りに仕様書を提出できました。
しかし、システムエンジニア3人が、同じ「機能的サービス」を満たした仕様書を提出したとしても、お客様は、上記のように三者三様のレスポンスを示すことがあります。
このお客様のレスポンスから、「満足」に関する3つの原則を読み解いてみましょう。

3人は同じ「機能的サービス」を提供しているのに、どうして3種類のレスポンスがあるのでしょうか。
3人のシステムエンジニアに対する満足感は、次のように考えられます。
1)鈴木君のお客様は満足している
2)山田君のお客様は不満足である
3)田中君のお客様の満足感は不明である

鈴木君と山田君の場合、今後の業務方法や改善方法が明確です。満足してくださっているお客様には、
さらなる満足を検討し、不満足なお客様には満足の提供を検討すれば良いのです。
しかし田中君の場合は不明です。田中君の仕事ぶりは、今後どうすればいいのかわかりません。

「相手の満足感は訊いてみなければわからない」これが、第一の原則です。
言いかえれば、「相手が満足しているかどうか、勇気を出して訊きましょう」ということです。

お客様の満足感が不明な田中君は、第一の原則に従って、お客様に満足感を訊いてみましょう。
「私の仕事に、ご満足いただいていますか?」(このようにストレートに訊く必要はありませんが…)
「満足しているよ」または、「満足できないな」と言われたら、満足感については知ることができます。

第二の原則を説明するために、日常の風景で「満足」について考えてみます。
あなたは、新しい最新の薄型テレビを、満足できる価格で購入し、お店の人がリビングに設置・設定してくれました。ワクワクしながら、あなたはスイッチを入れ、デジタル放送を初めて観たとしましょう。
この時、あなたは満足ですか?? → 多くの人は、満足です。

しかし、夕方同じようにテレビのスイッチを入れたら、映らない。お店に電話すると、初期不良らしい。次の日に修理に来てくれると店は約束しました。
その時、あなたは満足ですか?? → 多くの人は、かなり不満足です。
翌朝、お店の人が来て、テレビを修理してくれました。その結果、テレビは映るようになりました。
その時、あなたは満足ですか?? → 多くの人は、まだ不満足です。

このように満足と不満足の間には、「大きな隔たり」があります。テレビが故障して不満足になったお客様は、修理してもらっただけでは不満足は小さくなったとしても、満足するまでに至りません。
「満足と不満足は、不連続である」これが、第二の原則です。

先ほどお客様から「仕事が雑」と言われてしまった山田君や、満足感を訊いてみた結果「不満だ」と言われてしまった田中君の場合、満足のレベルにするには、簡単な言動修正ではダメな可能性が高く、
多くの場合、お客様の喜ぶ付加価値を考えた工夫や行動が必要です。

さて、冒頭の田中君へのレスポンスのように、お客様の満足感が不明だったり、お客様に満足感を訊いてみても、
「まぁまぁかなあぁ…」「普通だね」「こんなもんかな」と言われた時はどうすればよいでしょう。
「満足か不満足か、きっぱりさっぱりおっしゃってください!」と強引に訊いたとしても、曖昧な答しか返ってこないことがあります。アンケートで言えば、5段階評価の「3」(普通)ということでしょうか。

「満足でも不満足でもない、無関心という状態がある」これが、第三の原則です。

先ほどの薄型テレビの話で考えてみます。新しいテレビを買って数か月過ぎました。あなたは朝起きてテレビのスイッチを入れます。毎日と同じようにテレビ番組が映し出されます。
この時あなたは満足ですか?
「すごいよ!今日もテレビ映っている!」と満足する人は少ない。
映って当たり前、この画質で当たり前。この状態も「無関心」です。
無関心なお客様というのは、黙って去ってしまう(知らない間に他社に乗り換える)、黙って報酬を下げてくるなどの、想定していなかったコトをされる傾向が非常に強いのです。

「無関心」と違って「不満足」というのは、「あなた(の会社)に興味はあるから、何とかしてください、私を満足させてください」という「興味」「関心」があるということです(悪質なクレーマーは除外します)。
だからこそ、満足していただくような誠意ある「心理的サービス」によって、ロイヤリティ(愛着度)を高めることができるのです。

いつも約束の時間に遅れてくる友人に、「約束守ってくれよ!」と不満やクレームを言うのは、その友人と今後も付き合いたいからです。そもそもその人と友人として付き合いたくなければ(興味がなければ)、友人に不満やクレームは言わず、二度と約束をしてまで会わないのではないでしょうか。

「満足」には感謝して、安心せずに、さらなる満足を提供する。
「不満足」には、興味と関心を持ってくださっていることに感謝して、満足していただく工夫をする。
「無関心」には、興味や関心を持っていただく工夫をした後、さらに満足していただく工夫をする。
このようなことが、システムエンジニアが心がけたい「心理的サービス」です。

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