第10回 『完璧という非現実』


人間は以下のような欲求を満たしたいと思っています。
「すべての人に好かれたい」「すべての人に尊敬されたい」
「すべての人に楽しんでもらいたい」
「すべての人に素晴らしいと言ってもらいたい」
「すべての人からの支持を得たい」
「すべての人に勝ちたい」

上記の例は、多くの人達が持つであろう、他人に対する一般的な欲求です。
しかしながら、これらの欲求は理想であり、非現実的です。多くの人はそれが分かっています。
支持率100%の政治家がいないように。反対に100%の支持率を得ている政治家というのは、ある意味、気味が悪いですよね。

しかしその現実に本人が気付いていない場合があります。たとえ気付いていても、なかなか受け入れられない人もいます。
そのような場合、現実の出来事として上記欲求を少しでも破壊された時、その人たちは一瞬または多くの時間、ダメだった・・・とか、上手くいかなかったぁ・・・、俺はダメなヤツだぁ・・・というような後ろ向き(ネガティブ)な感情に陥り、自分を必要以上に責めたりします。
そのような場合、人のパフォーマンスが極端に低下する(非効率的になる)ことが多いのです。

だからこそ、非現実的で高い理想を掲げながらも、それが一般的には現実的ではないという事実を認めて行動していきたいものです。理想の欲求を満たすことのできる完璧な人間なんて存在しないのだと、そしてパーフェクトな結果(成果)が簡単に手に入るはずはないのだと。
人には長所もあるけども短所もあります。同意してくれる人もいるけども、同意してくれない人もいるのです。それが真理です。

お客様やあなたの同僚やあなたの上司は、あなたに完璧を目指すように求めるかもしれません。
あなたがこの要求に答えようと、がんばることは非常に大切なことですが、常に結果が完璧であるということは非現実的なのです。

もちろん完璧に”ひたすら近い”結果とプロセスはある程度は可能です。また完璧ではなかった”失敗”を通して、次の機会に完璧に近づくこともできます。人や組織はそうやって成長していくのです。人も組織も、そうやって学習していくのです。

結果やプロセスを”完璧にできる限り近づける”方法は、知恵と勇気と意志、そして能力があれば充分可能です。
完璧に近づけるための行動やパフォーマンスは極めて重要であり、プロフェッショナルとして不可欠なものです。成せば成るという気持ちと、成功イメージの想像力が重要であることは間違いありません。

重要なのは「完璧に限りなく近づけること」と、「完璧であること」は全く異なるということです。
それを知り、それを悟るような人間が、自己実現の欲求に近づいているのではないでしょうか。

私はこのコラムで弁解や仕事の言い訳をしているわけではありません。
また読み手に、何もかもが非現実的な欲求だと思い込ませて、逃避や”甘い言い訳”を推奨しているわけでもありません。

“冷静に考えれば非現実と気付く完璧さ”を追求するあまり、自らのパフォーマンスを低下させてしまったり、組織のパフォーマンスを低下させてしまったり、燃え尽き/サビツキ組織になってしまっては、身もふたもない、ということを言いたいのです。

最近は過度のストレス状態に陥っている人が多いとも聞きます。ちょっとばかり、ゆったりと考えてみませんか。競争が激しく、完璧に近い成果を期待されている今日だからこそ。


お問合せ


  • お電話受付時間:平日9:00-18:00

  • 日本全国からのお問い合わせをお待ち申し上げます。
    お気軽にお問い合わせください。 お問合せ&資料請求